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Klotz, S.*; Casula, M.*; 小松 一生*; 町田 真一*; 服部 高典
Physical Review B, 100(2), p.020101_1 - 020101_5, 2019/07
被引用回数:11 パーセンタイル:52.56(Materials Science, Multidisciplinary)イッテルビウム水素化物(YbH)はCaH型構造からYがhcp位置、Hが未知の位置にある高圧相へと16GPaで転移する。本研究では、34GPaまでの中性子回折実験により、Hを含めた構造の完全決定を行った。水素(重水素)は、空間群の2aおよび2d位置を占め、高対称な"崩れた"密な充点構造をとる。高圧相への転移はゆるやかに起こり、全水素のうちの半分が、波打った水素レイヤーからYbで作られる格子の格子間に移動するように見える。第一原理計算から、この相転移は、電子の占有率の変化(完全に占有状態から、部分占有状態x0.75)を伴うことが分かった。この相転移に伴う軌道から軌道への電子遷移は、結晶のバンドギャップを閉じ、金属状態を生み出す。その金属の基底状態は、格子間水素の面外振動モードを含んだ大きな電子-格子相互作用を持っている。
岩佐 和晃*; 伊賀 文俊*; 茂吉 武人*; 中尾 朗子*; 大原 高志
Journal of the Physical Society of Japan, 87(6), p.064705_1 - 064705_5, 2018/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)The magnetic-ordered state of a single-crystal sample of TbB has been studied with the high-precision neutron diffraction instrument SENJU installed at BL18 of the Materials and Life Science Facility in J-PARC. We observed new Bragg-reflection spots characterized by a propagation vector = (1/4, 1/4, 0) below the Nel temperature 20 K, in addition to the = (1/4, 1/4. 1/2) reported in the previous literatures. Because X-ray Thomson scattering measurements do not detect the superlattice reflections at 13 K, is a new magnetic-ordering propagation vector. The magnetic multi-q structure of TbB is similar to that of CeB, whereas the ratio of the amplitude to that of qM1 is smaller than in CeB. The combination of and is expected to assist the = (1/2, 0, 0) lattice modulation.
西村 昭彦; 杉山 僚; 宇佐美 力; 大原 和夫*
Journal of Materials Science; Materials in Electronics, 14(1), p.1 - 3, 2003/01
超高出力レーザー媒質候補としてのイッテルビウムガラス材料の性能向上について報告する。高濃度にイッテルビウム3価イオンを含有させたレーザーガラスを製作し、その線膨張係数をサファイヤに一致させた。強励起され発熱するイッテルビウムガラスの表面に熱除去のためのサファイヤ板を密着させた。間隙には1-ブロモナフタレンを充填することで、界面からの反射損失の低減と熱伝達の改善に成功した。集光強度20kW/cmの励起実験を行い、冷却特性の改善の確認及び界面の損傷が生じないことを確認した。イッテルビウムガラスとサファイヤの複合化により超高出力レーザーシステムの繰り返し動作の向上が可能である。
河仲 準二; 山川 考一; 西岡 一*; 植田 憲一*
Optics Express (Internet), 10(10), p.455 - 460, 2002/05
被引用回数:48 パーセンタイル:84.83(Optics)Yb系固体材料は量子効率が大きく、励起吸収波長が高出力半導体レーザーの発振波長帯(900nm帯)にある。加えて、Yb:YLF結晶は幅広い蛍光スペクトルを示すことから同材料を用いれば半導体レーザー直接励起による小型・高効率の超高ピーク出力レーザーの実現が制御できる。しかし、同材料は準3準位系であるため、高いレーザー利得を得るためにはレーザー下準位の再吸収を十分に飽和できる高強度励起が必要であり、現在入手できる半導体レーザーでこれを実現することは難しい。今回、Yb:YLF結晶を低温に冷却することにより結晶内の熱的エネルギー分布を能動的に変化させレーザー下準位の再吸収を劇的に減少させることで、半導体レーザー励起により室温時の10倍大きい21cmの高利得が得られることを実験により実証した。さらにレーザー利得スペクトル幅も室温時の2倍近い35nm(パルス幅40fs以下に相当)を得ることに成功した。これにより、低温Yb:YLF結晶を用いることで半導体レーザー直接励起による小型・高効率の超高ピーク出力レーザーの高い実現可能性を示した。さらに、同レーザーの実用化によりレーザーエンジニアだけでなく種々の研究者による応用研究、例えば小型X線源や超微細加工等を強力に推進できることを示唆した。
西村 昭彦; 赤岡 克昭; 大図 章; 宇佐美 力*
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(12), p.1043 - 1047, 2001/12
小型高効率レーザー開発のために熱レンズ計測を行った。レーザー媒質には高い飽和フルエンス特性をもつイッテルビウム含有リン酸ガラスを使用した。強励起光源には開発したフラッシュランプ励起フリーランニングチタンサファイアレーザーを応用した。ガラス表面での励起強度は800kW/cmを超え、半導体レーザー歴の模擬照射に十分な強度を得た。Shack-Hartmann型の波面計測センサーを発展させ、強励起したイッテルビウム発振器の熱レンズ効果測定に適用した。強励起したイッテルビウムガラスの透過波面を100Hzの高繰り返しで計測し、この波面をZernike係数に展開した。冷却過程においてフォーカス成分の冷却特性は非定常1次元熱伝導方程式の予測と一致し、熱レンズ効果の時間変化を明らかにすることができた。
西村 昭彦; 赤岡 克昭; 大図 章; 杉山 僚; 宇佐美 力*; 的場 徹
Advanced High-power Lasers (Proceedings of SPIE Vol.3889), p.414 - 419, 2000/00
強励起したイッテルビウムガラス内部に生じる熱レンズ効果をシャックハートマン型波面センターを用いて測定した。ジュールレベルの高エネルギーパルス発生のためにフラッシュランプ励起チタンサファイヤレーザーを開発した。励起波長915nmにおいてパルスエネルギー1J、パルス時間160msの高エネルギーパルスを行い、イッテルビウムガラス発振器から最大330mJ、スロープ効率は53%を得た。励起強度800kW/cmにおいて強励起したイッテルビウムガラスは強い熱レンズ効果が現れたが、その内部及び表面には損傷は認められなかった。熱レンズ効果測定のため強励起下のガラスを透過するHe-Neレーザー光の波面計測を行った。計測した波面を展開しZernike係数を求めたところフォーカス成分が支配的であり、励起後300msで完全に消失することが判明した。
西村 昭彦; 大図 章; 赤岡 克昭; 宇佐美 力*; 杉山 僚*; 的場 徹
電気学会光・量子デバイス研究会資料OQD-99-1-6, p.25 - 28, 1999/03
強励起可能な高エネルギーパルス励起レーザーを開発した。ゲイン媒質には高品質チタンサファイアロッドを用いXeフラッシュランプ励起により高エネルギーパルスを発生させた。この励起レーザーを用いて半導体レーザー直接励起が可能なイッテルビウムガラスの強励起発振試験を行った。励起波長915nmにおいてパルスエネルギー1J、パルス時間160msの高エネルギーパルスを行い、イッテルビウムガラス発振器から最大330mJを得た。発振スロープ効率は53%を得た。励起強度800W/cmにおいて強励起したイッテルビウムガラスは強い熱レンズ効果が現れたが、その内部及び表面には損傷は認められなかった。さらに熱レンズ効果測定のため強励起下のガラスを透過するHe-Neレーザー光の波面計測を行った。計測した波面を展開しZernike係数を求めたところ、3次のフォーカス成分が支配的であり、励起後30msで消失することが判明した。
西村 昭彦; 大図 章; 杉山 僚; 丸山 庸一郎; 有澤 孝; 宅間 宏; Nees, J.*; Biswal, S.*; Mourou, G.*; 大和田 進*; et al.
Technical Digest on CLEO'98, P. 177, 1998/05
レーザー上準位からの励起がなく量子効率が高い次世代超高出レーザー材料としてイッテルビウムガラスがある。30J/cmを超える高い飽和フルエンスを利用し、1.03ミクロンを中心とした幅広いバンド幅を活用して小型のレーザーシステムが可能となる。一方、この特性を最大限活かすためには半導体レーザー直接励起が必要となるが現時点ではコストの問題がある。このため、チタンサファイヤの長尺ロッドを用いてフラッシュランプ励起による高エネルギー励起光源を開発した。出力は793nmで12ジュール、920nmで6ジュールの高エネルギーパルスを得ることができた。発表ではレーザーの構造と発振特性について述べる。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 275-277, p.806 - 810, 1998/00
被引用回数:110 パーセンタイル:96.65(Chemistry, Physical)ランタノイド[Ln](III)イオンの内部水和数Nと発光寿命との相関を調べるために、一連のポリアミノポリカルボン酸を配位子とするLn(III)錯体[Ln=Sm,Eu,Tb,Dy]の水和状態を詳細に研究した。DO-HO溶液中のLn(III)の発光寿命測定から得た直線相関と、前に報告したHO中でのNから、錯体中のNを評価した。各錯体中のEu(III)とTb(III)の平均のNは文献値とよく一致した。Sm(III)とDy(III)の最低励起状態と基底状態のエネルギー差はほぼ等しいため同様な消光挙動が期待できるが、測定したSm(III)のNはDy(III)のそれより大きな値を示した。また、DO中の錯体の発光寿命の測定では、これらの配位子によるLn(III)の消光はみられなかった。これらの結果は、Sm(III)の総配位数はEu(III),Tb(III)及びDy(III)よりも約1大きいことを示唆する。Ln(III)のN決定のための相関関係の導出を検討した。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 278, p.92 - 97, 1998/00
被引用回数:69 パーセンタイル:92.91(Chemistry, Physical)時間分解蛍光法を用いて、流動(室温)及び凍結(液体窒素温度)状態にある高濃度塩溶液(NaCl,NaNo及びNaClO)中のランタノイド[Ln](III)イオン[Ln=Sm,Eu,Tb,Dy]の内部水和数Nを発光寿命測定により研究した。凍結溶液中のLn(III)の消光挙動は、流動溶液と同様にイオンの励起状態から水和水のOH振動へのエネルギー移動によることを明らかにした。各温度でのDO-HO溶液中のLn(III)の発光寿命測定から得た直線相関と、前に報告したHO中でのNから塩溶液中のNを評価した。流動溶液中でのLn(III)のNから、NOは内圏錯体を生成するがClとClOは生成しないこと、ClOは高濃度で水和水の消光効果を促進することを明らかにした。一方、凍結溶液中では、ClとNOが内圏錯体を生成しNが約1及び2~3減少すること、ClOは高濃度でも水和に全く影響しないことを見出した。
西村 昭彦; 大図 章; 杉山 僚; 丸山 庸一郎; 有澤 孝; 宅間 宏*; Nees, J.*; Biswal, S.*; G.Mourou*; Erickson, E.*; et al.
Solid State Lasers VII, 3265, p.234 - 241, 1998/00
レーザー発振上位準位からの励起がなく量子効率がイッテルビウムガラスは高い飽和フルエンスと1.03ミクロンを中心に幅広いバンド幅を持ち、半導体レーザーにより直接励起可能なため、小型・高効率のCPAレーザーとして有力な材料である。一方、この特性を十分生かすためには高強度の励起のロングパルスの励起が必要であるが、現在は1ジュールを超えるレベルのレーザーは存在しない。このためチタンサファイアの長尺ロッドを用いてフラッシュランプ励起による高エネルギーレーザーを開発した。フリーランニング発振器から793nm波長で12ジュール、920nm波長で6ジュールを得ることができ、イッテルビウムガラスCPAレーザーの研究開発に供することが可能である。
日夏 幸雄
Journal of Solid State Chemistry, 105, p.100 - 106, 1993/00
被引用回数:11 パーセンタイル:47.87(Chemistry, Inorganic & Nuclear)秩序化したペロブスカイト構造を持つウラン複合酸化物BaMUO(M=Sc,Y,Gd,Yb,Mn)を合成し、磁化率と常磁性共鳴吸収スペクトルを測定した。BaYUO,BaScUO中のUの有効磁気モーメントは異常に小さかった。BaGdUO,BaYbUOのモーメントは7.74,4.69でGd,Ybの理論値に近かった。BaGdUOの常磁性共鳴吸収スペクトルが測定でき、g値は1.92だった。BaMnUOでは、約50K以下でフェリ磁性が見られた。有効磁気モーメントは5.52、g値は2.00で、化合物中のマンガンイオンは高スピン状態にある2価であることがわかった。
日夏 幸雄
Journal of Solid State Chemistry, 100, p.136 - 140, 1992/00
被引用回数:21 パーセンタイル:68.87(Chemistry, Inorganic & Nuclear)4価のテルビウムペロブスカイトBaTbOとSrTbOを合成し、磁化率と常磁性共鳴吸収(EPR)スペクトルを測定した。両化合物は、32.7,30.5Kで反強磁性転移を示した。有効磁気モーメントは7.96で、Tbの理論値に非常に近い。EPRスペクトルは室温で測定でき、g値は2.00,1.97だった。これらの結果から、テルビウムの酸化状態は3価でなく、4価であることがわかった。SrTbOのg値が2.00からずれるのは、テルビウムのオクタヘドラル対称結晶場が歪むためである。
秋場 秀人*; 西出 宏之*; 土田 英俊*; 大道 英樹; 岡本 次郎
J.Macromol.Sci.,Part A, 23(9), p.1125 - 1135, 1986/09
前照射法によりポリエチレン粉末にアクリル酸およびアクリルアミドのグラフトを行った。アクリル酸とアクリルアミドを共グラフトした場合はアクリル酸を単独グラフトした場合に比べてテルビウムイオンの吸着が早い。また前者の場合の錯形成定数は後者の場合より大きくなった。これはグラフト錯中にアクリルアミドの部分が導入させたことにより、カルボキシル基とテルビウムイオンとの間の錯形成における立体障害が減少したためと考えられる。前者の樹脂をカラムに充填し、テルビウムイオンとコバルトイオンなど繊維金属イオンを含む水溶液を流したところ、テルビウムイオンと遷移金属イオンが効率よく分離された。
久保田 益充
Journal of Nuclear Science and Technology, 11(8), p.334 - 338, 1974/08
被引用回数:4高純度酸化ルテチウムに含まれる不純物をイオン交換分離法を併用した放射化分析法によって求めた。-ヒドロキシイソラク酸を溶離剤として陽イオン交換分離をする前に照射した酸化ルテチウムとほぼ同じ量のイッテルビウムをターゲットに加えた。この方法は分離後のイッテルビウムフラクションの線スペクトルの解析とまた化学的収率を求めることを容易にした。分析の結果、Sc0.26ppm,Yb395ppm,Tm150ppm,Tb12ppm,およびEu2.3ppmが検出された。上記の方法によって酸化ルテチウム中に含まれる数ppmのイッテルビウムも分析することができる。